羅培珠さん インタビュー

貿易|マネージャー (2018年7月入社) [インタビュー実施:2023年5月]

Q1.以前はどのような仕事をしていましたか?

オーストラリアの大学で数学と統計学を学びました。大学卒業後、出身地の香港に戻り、塾の講師として小学生から高校生まで2年間教えていました。大学の最終学年の時に日本語を専攻し、その後も独学で学習を続けました。最終的に日本語能力試験1級を取得しましたが日本語能力試験1級には会話と作文がありません。日本語の能力をさらにアップしたいと思い、塾の講師をしながら日本研究学科の大学院に進学しました。

Q2.来日した理由を教えてください

大学院を卒業したものの、「自分の日本語は本当に通じるのか?」と、自分の能力を試したくて、ワーキングホリデーで大阪に来日しました。大阪に決めた理由は、香港と大阪の直行便があったことと、日本のお笑いが好きだったから(笑)

ワーキングホリデーでは、心斎橋の大丸でアルバイトとして、日本の製品を海外でも購入できるネットショッピングのサービスに関わりました。当時、香港にはAmazonが無く、日本で体験したネットショッピングは商品が早く届いて、しかも安く、とても便利なことに驚きました。

Q3.日本で働こうと思った理由は何ですか?

ワーキングホリデーの期間があと半年になった時に、香港に帰るのでなく、日本で自立して生活したいと思いました。また、これからは自分の強みである中国語・英語・日本語の3カ国語を活かして、言葉や文化の壁を超えて、海外と日本の架け橋となれるよう、大好きな日本で自分のキャリアを築いていきたいと強く思ったんです。

Q4.どのような就職活動をされましたか?

日本で就職するため、様々な求人サイトに登録したけれど、ほとんどが書類選考で不合格。一次面接に進んだ数社も不合格でした。3ヶ月くらいそんな状況が続いたので、大学を卒業すれば選択肢は増え、就職活動も上手くいく学歴社会の香港で育った私はとてもショックを受けました。当時の私にとって人生で初めての挫折で、「学歴は日本で通用しないの?」と落ち込みました。

Q5.ライズクリエイションを知った接点は?

人材紹介会社の求人で、EC通販会社が貿易業務を募集していることを知りました。大阪と奈良と1社ずつありました。人材紹介会社のエージェントが奈良の会社の方がいいのでは?と勧めてくれ、ライズクリエイションを知りました。

そこで、ライズクリエイションのホームページやショップの隅々まで目を通して、企業理念、行動指針、販売している商品などを確認しました。商品を中国から輸入しているのなら自分のスキルが活かせるかもと思い、応募を決めました。

Q6.面談時の様子と入社の決め手は?

当時の事務所は奈良市東九条にあり、大阪の街中のように高いビルがなく、周りに何も無くて「本当にこの道で合っているのか?」と不安になりました(笑)

面談は社長と中村さんでした。社長はTシャツ、短パンで登場!通常、会社の面接だと堅苦しい雰囲気ですが、最初からそんな雰囲気は全くありませんでした(笑)

他社の面接はSPI検査をしたり、あらかじめ用意された質問を上から順番に確認するような、型にはまった選考の感じでした。でもライズクリエイションは普通にちゃんと会話して、お互いにコミュニケーションできたんです。今までの就職活動の中で一番素直に本音で話せました。

面接では、自分が事前にホームページで調べた情報について確認したり、担当する業務について詳しく聞きました。担当業務はオリジナル商品の開発とAmazonの店舗運営で、今後、商品ジャンルによってブランドができたらいいとのことでした。

日本での就職活動を通じて、自分はたぶん大企業に向いていないだろうと考えていました。語学力が活かせて、他社と異なり堅苦しくなくて、自由度の高いライズクリエイションは自分にピッタリでした。

Q7.入社して最初に担当した仕事と入社当時の様子は?

Amazonで自社ブランドの商品販売を担当しました。社長から市場リサーチなどのレクチャーを受けました。細かい指示はなく、自らどう進めるかを考えて、都度社長に質問しまくってゴリゴリと前に進める日々でした。その後、発注や物流に関して中村さんともやりとりするようになりました。当時の商品は、スマホリング、ケーブルクリップ、靴ひもセットなど、小物商品が中心で1日の注文件数が2桁になったら大喜びでした!

そのほか、販売していない商品を登録したり、ツールを活用してキーワードを精査して広告をかけたり。 毎朝、手書きで伝票を書いて、事務所3階の倉庫で商品をピッキング・梱包して出荷していました。 徐々に、新商品のリサーチ、アリババでの商品仕入れ、商品をコンテナで輸入、最終的には商品の立ち上げまで、EC通販の一連の業務に触れることができました。

Q8.なぜ貿易チームを立ち上げようと思ったのですか?

まずは単純に貿易の仕事が好きだから(笑)

自分が手配したコンテナが予定通りに入荷し、在庫があって、お客様にお届けできることはものすごい達成感がありました。貿易業務において必要な日程調整、物量計算、輸入輸出の申告、全部の業務が大好きです!

もちろん、好きだけでは自分勝手なわがままなので、ライズクリエイションの行動指針であるWin・Winの関係とは言えません。貿易業務を立ち上げなければならない理由がありました。

当時はAmazon、楽天、ヤフーの各店舗に仕入れ担当がいて、工場とのやり取りや物流の調整は各自バラバラに実施していました。最終的にコンテナを手配する際に全ての店舗を合算すると商品量がどれくらいになるかを管理する人がいなくて、必要な商品がコンテナに間に合わなかったり、物量の計算を間違えてコンテナに入りきらない等のミスが発生していました。こんなことではお客様に商品を早く届けることができず、会社にとっても売上損失につながると思い、全体のサプライチェーンを統括する必要があると考えました。社長と中村さんは他の業務で手一杯でしたし、私がやるしか無いなと。

Q9.貿易チームの立ち上げ時の苦労は?

貿易チームの立ち上げをしてからすぐにコロナ禍が発生しました。巣ごもり需要が増えて、EC通販の売上がすごく伸びました。今までコンテナの月間平均数は2だったのに、いきなり10に跳ね上がりました!業務量もいきなり5倍に増えることに・・・。当時はAmazonの店舗運営をしながら貿易業務を兼務しており、貿易に専念するため、現在Amazonのリーダーをされている樋口さんに業務を引き継ぎながら、各店舗の仕入担当と貿易の発注や物量情報のルールを統一化する等、毎日激務でした。

また、当時は他社も同様にEC通販の市場が急激に伸びたので、業界全体として在庫切れやコンテナ不足で物流ルートが確保できない中、「お客様に商品を届けたい」「どうすればできるのか」を考えに考えて、自社の強み(入口から出口まで)を活かし、在庫・販売状況を確認しながら、工場や物流会社と直交渉したり、1日でも早く入荷したいコンテナがあったら、自社の倉庫にもかなり無理を言いましたね。

様々なやり方を何回も試行錯誤し、ようやく自分が納得する仕組みを構築することができて、売上に貢献することができました。めちゃくちゃしんどかったんですが、ピンチがチャンスというか、乗り越えた喜びと達成感が半端なかったです。結果、それがきちんと評価されて役職が上がりマネージャーとなりました。

Q10.入社してから一番の失敗は何ですか?それをどう乗り越えましたか?

異なる分野で2つあります。

1つ目は、コンテナが日本に到着した際に通関に止められました。税関の立ち入り検査でコンテナを開封した際にインボイスとコンテナの内容が一致せず許可ができないと連絡があり、全部荷物を下ろして一箱ずつ確認しないといけなくなりました。この確認業務は外部委託する方法と、荷主自ら検品する方法があり、前者はお金がとてもかかるので、当時の社員・アルバイト総出で荷物の確認をすることに!500箱近くの商品すべての中身を1点ずつ数えました。当時は月に一度のコンテナ輸送だったので、輸入の許可が1か月ほど遅れてしまい、在庫がきちんと確保できなくて売上も下がってしまいました。この苦い経験も貿易チームを立ち上げたいと思った理由の一つです。

2つ目は、重点商品の仕入先での失敗です。 売れ筋の商品の品質に問題があり、工場と何度もやり取りを行いました。工場と一緒に原因を追求し、問題は原材料か、加工か、機械かを検証しました。品質・生産管理について自分でもかなり勉強しました。でも、新たなサンプルと試作品を何度手配しても、品質の問題は解決できず、仕入先を変更することに。でも、すでに品質に問題がある商品はお客様に届いてしまっていたため、カスタマーサービスの対応やレビューによる売上への悪影響がありました。これを機に、複数の仕入先から見積やサンプルを手配して工場の評価を行うこと、海外の工場に実際に足を運んで現場を視察することが必要だと痛感しました。

Q11.現在、どんな業務に関わっていますか?

現在、貿易チームの責任者としてマネージャーを務めています。マネージャーは会社の幹部メンバーでもあり、会社全体で必要な業務にも関わっています。例えば、外国人の採用活動、社内システムの考案などです。自分のスキルを活かせる仕事なら、自ら提案し、実行することができます。

Q12.今後の目標を教えてください

外的要因とうまく付き合いながら、売上100億円に向けて会社にとって最適なサプライチェーンを実現することです!

Q13.貿易の業務で1番の課題とその対策は?

1番目の課題としてはQCD管理です。 商品や物流の品質・コスト・納期のそれぞれの基準をどんどん上げることが必要です。 貿易チームの業務は調達、購買、国際物流の3つに分かれていますが、 例えば、調達、購買は新たな仕入先の開拓として、世界中の展示会を飛び回って情報収集しないといけないし、既存取引先を定期的に評価することも必要です。国際物流は、海上運賃や通関費用など、どこの港でどの船会社を使えば安価にできるのか。品質担保、コスト削減、納期短縮について、これからもどんどん新しい発想で改善していきたいですね。

そのうえで、これからライズクリエイションと関わっていきたい人の募集が必要だと考えてます。当社の理念や目指すことに共感できる人が増えるからこそ、できることが増えます。 私自身も貿易の業務を1人から始めて、現在は8名のチームとなりました。メンバーそれぞれが自分の強みを活かして会社の課題を解決しながら、自己成長しています。

Q14.どんな方が貿易チームに向いていると思いますか?

3つあります。

(1)新しいことをやり続けたいと思う人ですね。つまり、目指したことができれば満足して終わりでなく、さらなる高みを目指す人。また、会社から単に給料をもらうだけでなく、自分としても会社にどのような価値を提供できるかを自らアイデアを出し、行動できることも重要です。まだやりたいことが見つかっていないけれど、変化や新しいことにチャレンジしてみたい方や、自分の強みや経験を活かしたい方はぜひ頑張っていただいて、評価を得てほしいです。

(2)やり切る力を持っている人。とにかくやる、まずはやる。しかも質より量です。インプットとアウトプットの量も。わからなかったら聞きまくって、どれほど主体性をもって行動できるか。フィードバックをもらえたら自然と精度が上がり、自分のできることも増えて、今以上の成果も出せるようになります。このPDCAサイクルは10分で考えてますね。それくらいスピードにこだわっています。

(3)既存の仕組みとやり方にとらわれない人。何が最善のあり方か、常に考えてチャレンジしてください。

貿易チームは海外とのやりとりが多く、日本と海外の接点となりたい方も歓迎します。自由度が高く、結果が出れば細かいことは気にしない社風です。ぜひ、一緒に高みを目指して頑張っていきましょう!

Q15.外国人が日本で働くことについてどう思われますか?

日本で就職活動をしていた当時、とても苦労しました。でも、今考えると、自分は通常の面接の型にはまらなかったことが大きいです。日本はこれから少子化がますます進むので、より外国人が受け入れられやすく、活躍できる場を作っていきたいです。ライズクリエイションは急成長しているベンチャー企業なので、過去に入社したすべての外国人の皆さんがビザを取得できました。ビザの問題が解決しないと不安ですから、その点はご安心ください。また、当社の外国人採用は今後も積極的に行っていきます。

Q16.貿易チームの統括者として大切にしていることは?

決断力ですね。あらゆることを想定し、最悪の状態を考慮した上で決断しています。プランBを持つことも大事ですね!

Q17.休日はどのように過ごしていますか?

カラオケに行く、バラエティ番組を見る、鳥や風景などをカメラで撮る、美味しい食べ物を食べることです。旅行も好きですね。多趣味で飽きっぽいです(笑)物欲はさほど無く、ショッピングはあまりしませんが、職業病でついつい素材や、商品の加工・縫製をチェックしたり、商品本来の価値を計算してしまいます。どんな商品もリサーチしまくります。お店で3時間ショッピングをして、結局何も買わないとか、ざらです(笑)

業務を調整して、香港に一週間帰省することもあります。自分の休暇中は貿易チームのメンバーに負担をかけてしまいますが、逆にメンバーが長期休暇を取得する場合は、責任者としての業務だけでなく、現場業務も率先して行っています。

Q18.ライズクリエイションを一言でいうと、どんな会社ですか?

変わった会社です(笑)。普通の日本企業では自分がこれほどまでにキャリアを積むことはできなかったでしょうね。いろんな失敗をして、会社に損が及ぶことがあっても、安心してチャレンジできるのは最強にありがたい環境だと思います。

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